株式会社ディー・サイン
今村 剛

インテリアデザイン・建築

株式会社ディー・サインは主に企業のオフィスにフォーカスし、施設の構築・移転・改修に関わるプロジェクトマネジメント、そして設計デザインを行っている。企業経営における目標達成や課題解決のために、目的をもった“場”を創りを手掛ける企業である。今回インタビューする今村剛氏は、2013年に同社にジョインし、現在取締役を務める。

株式会社ディー・サインの簡単なご紹介をお願いいたします。

我々は企業のオフィスを中心としたワークプレイス領域において、戦略的な場創りの企画、提案から構築の支援をしています。創業当時からのコアなサービスとしているプロジェクトマネジメント、5年前に私がディー・サインに参画したタイミングで、形にしたクリエイティブ、この2つの事業軸を中心に現在、活動しています。プロジェクトマネジメント部門は、企業の目標、課題を深い視点で抽出、分析し、その解決施策を提案、実現するまで、専門的かつ統合的にプロジェクト全体の舵取り役として、クリエイティブ部門は、主にインテリアデザイン、グラフィックデザイン、プロダクト開発など、デザイン分野に関する様々な領域においてアイデア溢れるクリエイティブパートナーとしてクライアントに寄り添い活動を続けています。

プロジェクトマネジメント部門におけるクライアントは主に国内企業が中心です。多種多様なプロジェクト特性に対して最適なチーム体制を組む為に、プロジェクトごとに最適なデザイナー他、必要なパートナーをアサインし、1つのチームとして一丸となってプロジェクトを進めます。クリエイティブ部門のクライアントは外資系企業のクライアントが多く、その場合、外資系のプロジェクトマネジメント会社と一緒にチームを組み、プロジェクトを遂行しています。もちろん、自社のプロジェクトマネジメント部門とクリエイティブ部門が、同じひとつのプロジェクトにおいて協業することもあります。

ワークプレイスというのは、プロジェクトが完了したら終わりではなく、そこがやっとスタート地点です。ユーザーの方々が入居することによって、血液が流れ始めるように、やっとワークプレイスとして機能し、その企業の活動が始まります。構築時に見えてこなかった課題もそこから見えてくることも少なくありません。その為のアフターサポート、ファシリティマネジメント等のフォローも大切にしています。

略歴を教えていただけますか。

九州芸術工科大学(現 九州大学)で建築を学び、卒業後約5年間、ゼネコンの設計部にて比較的大規模な再開発プロジェクト等の建築設計を担当していました。その後、ロンドン芸術大学でインテリアデザインを学び、帰国後はインテリアデザイン会社で商業分野を中心としたインテリアのデザインに携わっていました。それから、外資系企業に対するオフィスデザインを中心に行う事務所に移籍し、その事務所でマイクロソフト、ゴールドマンサックス, ウェルズファーゴ等、数々の外資系企業のインテリアデザインに携わってきました。当時、国内企業の多くはワークプレイスに“投資”する意識を持った企業が少なく、どうしても外資企業中心でしたが、昨今は、国内企業においても採用促進や、社員の生産性向上を目的に、ワークプレイスに投資する事が多くなり、ワークプレイスに対する関心が高まってきてきました。そういった世の中の流れからも、我々へのニーズが増えてきているのを感じます。

どのようにクライアントにプレゼンテーションをしていますか?

デザインを進めていく上でも3Dモデリングツールを使用して作業を進めていくことが多いです。クライアントプレゼンにおいては、その時々のプロジェクトによって方法は変えていますが、主にパワーポイントや、イラストレーター、フォトショップなど、様々なツールを駆使して2D,3D共に資料を準備し、プレゼンテーションを行っています。

以前勤務していた事務所では、模型は作らず、3Dパースをメインでプレゼンテーションをしていましたが、結局紙に出力、若しくはプレゼン時にプロジェクター投影するので、2Dは2Dのまま、立体認識しにくいので人によってイメージの相違が生まれてしまいます。ディー・サインに移籍後はそういったイメージの相違をできるだけ生み出さないように模型を作ってプレゼンすることもありましたが、それでも現実的な空間認識はかなり難しく、相当な想像力を持った人同士でないと、イメージの相違は生まれてしまいます。

SYMMETRYを初めて体験したときの感想をおしえてください。

先ほども言ったように、今までだと、いくらSketchUp等の3Dモデリングツールを使用してデザインをしても、最終的なアウトプットは2Dになってしまう面がありました。一番初めに感じたのは、SYMMETRYはそれらの事情を一瞬で変えてくれるものだということです。SYMMETRYを使用する事で、自分たちの作ったモデルの中に一瞬で入れて、空間を空気のように感じ取れる。1:1の模型を作ることは現実的ではないですが、これなら簡単に1:1の空間を感じることができると思いました。

今後、どのようにSYMMETRYを活用したいですか?

クライアントに対してのプレゼンテーションツールとしてはもちろんですが、若手デザイナーの教育においても有効だと思います。経験の浅いデザイナーにとって、一人前になるまでトライアンドエラーを繰り返す経験が必要になります。例えば、よく若手デザイナーが起こすエラーとして、造作物の大きさやバランス、什器の大きさ等をありえないサイズ感で図面に記載し実際できたモノを見てそれに気づくことがあります(笑)。

プロジェクトでは、もちろん上長がプロセスをチェックし、指示やアドバイスを行いますが、実際にモノができてから、自分が図面上でデザインしたものと比較してスケール感や、サイズ感を実際に体験し学んでいきます。しかし、建築業界のプロジェクトは長期に渡るものが多いため、多くの若手デザイナーは年に1、2個のプロジェクトしか経験ができません。一人前になるためには、他の職種と比較して一人前と呼ばれるまで成長するのに多くの年月を要することが課題なのです。

我々は、プロジェクトを成功に導くことと同時に、人材の育成も大変重要だと考えています。SYMMETRYを活用する事で、自分自身でデザインしたモデルのスケールを瞬間的に確認ができるため、早い段階から空間感覚値を上げられることを期待しています。